【マインドフル・リーダーシップ】組織のメンバーに意識を集中し、変化に気づきを

年が改まり、四月決算の会社では来年度の予算を立てる活動が本格化します。決算期に関係なく、月ごと、週ごとの目標達成に向けて日々全力を尽くしている方々も多いと思います。
会社の経営としては当たり前のことですが、リーダーとして見落としていることがないか、少し時間をとって振り返ってみる機会も必要です。

●目標以外のことに目が届かなくなりがち

目標を立てることで、優先度の高い事項や改善したいことに向けての行動に集中しやすくなりますが、一方で、目標以外のことに関する変化に注意が向きづらくなります

多くの人々は、英会話のレベルを上げるとか、ファイナンスの知識を増やすとか、ダイエットするとか、年初にあたって個人的な目標を設定することでしょう。
毎年着実に目標を達成している人もいれば、毎年同じ目標を立て続ける人もいるかもしれません。かく言う私も、今年こそは酒の量を控えるぞと毎年誓うのですが、1月でだいたい頓挫するのが常です。

では、毎年同じ目標を立て続けている人は何も変化していないのでしょうか?
改めて自分自身を良く観察してみれば、若干体重が減り(食事のサイクルを変えた効果もあるかもしれません)、思考を刺激しあえる知人が増え、腹が立つことが少なくなりました(瞑想の効果でしょう)。
友人や職場の同僚に尋ねると、自分では気づかなかった部分で変化していて驚くことがあるかもしれません。

決して自己弁護するわけではありませんが、人は過去からなんらかの変化を経験しているものです(あたりまえですね)。しかしながら、これらの変化に気づくためには、自分自身をじっくりと見つめ直し入念に観察することが必要です。

●目標達成とは別の変化に注意を払う必要がある

ある企業のマネジメントとして活躍している知人が相談に来ました。
「組織は目標を達成していて順調に見えるが、将来を期待していた部下が二名次々と退職を申し出た。何がまずいのだろう?」

彼のマネジメントスタイルは、部門目標が達成できたらしっかりその成果をメンバー全員に伝えるし、報酬でも報いる。目標が達成できなかったら課題解決策をメンバー全員で考えさせる。一方で、ビジネスをもっと面白くするためのアイデアとか、組織を活性化させるとか、リーダーとして考えるべきこともしっかり考えてメンバー全員に伝えているとのこと。

彼には、
「これからは、メンバーという名前を持たないグループではなく、
名前を持った部下として一人ひとりに目を向けるのがよいかもしれないね」
と伝えました。

● 組織や人の変化を見過ごしていないか?

もちろん唯一の解決策などありませんし、彼のマネジメントスタイルに問題はないかもしれません。私のアドバイスが正解だというつもりもありません。
大の大人が真剣に転職を考えるのですから、誰に責任があるわけではありません。

ただ、もう少し部門のメンバーひとりひとりの日々の言動や場の雰囲気などに目を向けていたら、状況は変わっていたかもしれません。
彼らの考えていること実現したいと考えていることをもっと知ろうとできたのではないか?
それができたら、目標以外に変化したところも捉えられたのではないか?
それをもとに、もっとビジネスに関するアイデアについての対話ができたのではないか?

企業のマネジメントの方々とお話をすると、うちの会社は変革が必要だと数年前から言っているのに、ちっとも変わっていないと嘆くお話を伺うことがあります。
そんなとき、私は、設定した目標が達成できていなくても、部下ひとりひとりそれぞれ一年前、半年前と変わっていることがあるのではないですか?と聞いてみることにしています。

ボディスキャンで変化に気づく

マインドフルネスのアプローチにボディスキャンというものがあります。
リラックスして頭のてっぺんから足先まで順番に意識を集中していくもので、自分の体の変化を知ることができます

組織も人からできています。
ボディスキャンのように、定期的に組織のメンバー一人ひとり順番に意識を集中する時間を持ってみては如何でしょうか。
思わぬ変化を見つけることができるかもしれません。

【実践】組織のボディスキャンをする

・自分自身が1年前、1ヶ月前、1週間前と比べて何が変わったかをできるだけ多くリストアップする

・自分の組織のメンバーについて、一人ひとりの氏名と顔を心の中で思い浮かべる

・一人ひとりについて30秒程度意識を集中して、その人の役割、得意なこと、やりたいと考えていることを考える

<ボディスキャン瞑想のガイド>

初めての方でも音声を聞きながらボディスキャンができる様にガイドしました。
夜や就寝前、仕事の空き時間に実践してみてください。

Source : 瞑想チャンネル for Leaders

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ABOUTこの記事をかいた人

瞑想経験10年。 大学卒業後、コンサルティング会社にてマインドフルネスとは正反対の世界で生きる。退職後フリーのコンサルタントとして活動している際にミャンマーの大僧正をメンターとする断食瞑想リトリートに参加したのが瞑想経験の始まり。 その後上場企業の取締役を勤め、現在は再びコンサルタントとして活動。 一人で酒を飲むのもマインドフルネスだと強引な解釈も取り入れ、リアルな経営の場で日々マインドフルネスを実践しようとしている。が時々イライラが爆発。いまだ修行中。日々戦っている組織のリーダーの方々にとってマインドフルネスがどのように役立つのかについて深めたいと考えている。