音の瞑想・書く瞑想 |ビジネスリーダーのためのマインドフルネス24講 第6回

ビジネスパーソンに特化したマインドフルネス講座を全24回に渡ってお届けしています。基本のマインドフルネス瞑想のうち、座る以外の瞑想方法ということで、前回は動作に集中して今ここに戻る歩く瞑想についてお話しました。引き続き今回は、『音の瞑想、書く瞑想』についてお伝えしていきます。

1, 音の瞑想

呼吸やカラダを意識して『今ここ』に戻る、ということを前回までお話ししてきましたが、音に意識を向けることにも同じ効果があります。ここでは音を聴き『今ここ』に戻る『音の瞑想』についてお話しします。

音はいつでもあるものなので、今聴こえてくる音に集中するという方法で集中力を鍛えることができます。これは香りも一緒で、過去の香り未来の香りを嗅ぐことはできないので、今の香りを嗅ぐ、意識を向けることで集中モードに入れます。

実際、脳の中で思考が過去や未来に行っている状態というのは、多分嗅覚や聴覚も働くと思うんです。過去の体験がフラッシュバックする時などは脳内では過去に言われた言葉や声が記憶としてよみがえったりします。
でもそれは過去の記憶なのでそちらにひっぱられるのではなくて、例えば今はエアコンの運転音がしている、というのが現実だったとしたらそちらに意識を向ける練習をすると、過去に思考がさまよってもすぐに気づき『今ここ』へ戻るための集中力が鍛えられます。
現実に近づいていくと脳も休まって来るので、音をアンカーにして現実・今ここを意識してみましょう。

音に集中する瞑想のコツ

これはアメリカの著名な思想家のケン・ウィルバーも言ってることなんですが、

聞くことができる音は、今、聞くことができるだけである。
あなたは、過去や未来を聞くことができない。

当たり前のことではありますが、呼吸同様、音も過去や未来の音を『今ここ』の現実では聞くことができない。聴覚っていうのは音が鼓膜や内耳の様々な部位をふるわせ、その信号が内耳神経を経て脳に伝えられ処理されていきます。つまり今私たちが聞くことができる音は『今の音』だけです。

音に集中する瞑想をやるのなら、静かな場所に行ったり自然の中に行くのがベストだと思うんですけれども、オフィスでもできる『音に集中する瞑想のコツ』をガイドしています。4分ほどのガイドに従って、ぜひやってみてください。

【松村憲】音の瞑想(約3分半)


音の瞑想に慣れていない頃に実践してみると、音を聞くと即座に考えが巡るというサイクルに入ってしまうかもしれません。慣れてくると純粋な音だけを聞く、ということができるようになります。
ただ今耳に入ってくる音に集中するだけで、その音に反応や評価判断しないというところがポイントです。

2, 書く瞑想・ジャーナリング

続いて書く瞑想、ジャーナリングについてです。

書く瞑想のコツ

1, 書くことのテーマ(問い)に集中してください。

何について書くかというと、今日の出来事や印象に残った事でも何でもいいです。常にそのテーマについて考えながら筆を動かしたり、僕の場合はパソコンのキーボードでタイプする派なのですが、筆記具で書くのでもパソコンへの打ち込みでもどちらでも大丈夫です。

2, 評価判断なくがマインドフルネスの基本なので、かっこつけたり体裁・文体を整える必要はなく、あるがまま思い浮かぶままに書き出すという事が大事です。思い浮かんできたことをキーワードの箇条書きでもいいのでポンポンと書いていくといきましょう。回数を重ねつつ、ご自身のやりやすいスタイルを見つけてください。

書く瞑想にオススメ。書き心地のよいMDノート
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書く瞑想の効果

1, 書き出すことで、今ここに集中する状態を作ることができます。

2, 自分の脳内にあるものが書き出せるので、自分の思考や思いなどに気づく、リーダーに必須のセルフ アウェアネスを培うためのパワフルツールになります。

3, 自分の内面を言語化することは中々ないので、意識的に内面の思考の言語化し客観視する機会になります。
実は自分の事は自分が一番気づけていないものなので、自分の思考を書き出してみて、落ち着いて読み返すと「あー自分ってこんなこと考えてるのか」といった気づきがあったり、他人のことのように客観的に見ることができます。
客観力を鍛えることで自然とリーダーシップに必要な能力も培われてくると思います。

その他、書く瞑想のポイント

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  • 他人に見せるものではないので、思うままに自由に書き出します。
  • あらかじめ時間を決めてタイマーなどをかけて時間内は書き続けます。
  • 箇条書きでも文章であってもどちらでも構いません、誤字脱字も気にせず思いつくままに書き出してみてください。
  • 時間になったら、書いた内容を読み返して振り返ってみて下さい。
    書いたものを見返してみるとまた新たな発見があるかもしれません。
  • 実践する上でおすすめの時間帯
    ジャーナリングはいつやってもいいですけれども、夜にやるとその日あったことなどが「わーっ」と出てきて情報過多になるかもしれません。
    純粋にフラットな状態で実践したい場合は朝がお勧めです。朝の脳内は静かなので、毎朝10分書く瞑想やりましょう、と提唱している人もいたりします。それも続けると良い習慣になると思います。

【松村憲】書く瞑想(約10分間)

今回で、基本モジュールは終了で、次回からはリーダーシップ 思考編に入ります。