マインドフルネスとは、
「今この瞬間に心を集中させ、
判断をしないでありのままを観察する」
ことです。
(記:松村 憲)
目次
マインドフルネスの語源
マインドフルネス(mindful-ness)という単語は仏教用語、パーリ語のsati(気づき)の英訳です。日本に仏教が輸入された際にはsatiは『念』という言葉に訳されました。
『念』の漢字を分解してみると「今」と「心」になります。
またカバット・ジン博士は「マインドフルネスとは、心を込めること」とも言っています。
なぜ今マインドフルネスなのか?
マインドフルネスブームの火付け役はGoogleでした。爆発的に流行ったのは西暦2000年前後だと思います。なぜこの頃に火がついたかといいますと、マインドフルネスの効果についての科学的な統計学・生物学的なエビデンスが蓄積してきた時期とちょうど重なったからです。
心理学者やボストン大学医学部のカバット・ジン博士が病院でマインドフルネスを実践し、膨大な数の被験者からの主観的な体験のフィードバックのみならず、生物統計学的にもデータを集め、研究論文を出しその効果を示したことから認知されていきました。また今現在も進行形ですけれどもアメリカ西海岸、シリコンバレーのマインドフルネスブームはすごいです。
瞑想ってなんか宗教ぽくて怪しい?暇な人がやるものでは?といった先入観を持っているビジネスマンの方もおられるかもしれません。しかしむしろ忙しい日々を過ごしていらっしゃる方にこそマインドフルネスを実践してもらえたら、と考えています。
というのも、近年では脳科学の研究手法の進化とも連動して、fMRIという脳の画像診断技術を導入し瞑想実践者の脳を直接調べ、瞑想は脳のどの部位にどんな変化・影響を与えるのか?といった生物学・脳科学での詳細な研究も進み、知見も集まってきました。
その結果、瞑想を実践することで
- 脳の可塑性といって脳内で新たな神経ネットワークが形成される
- 脳の特定の部位が大きくなったり、活性化したり沈静化する
ということが再現性良く観察され、これらの脳内の変化と、後述するマインドフルネスの効果がリンクしていたことから、さらに注目を集めました。
ビジネスパーソンにマインドフルネスはおすすめ
実際に私もセミナーなどでマインドフルネス瞑想を教えながら、ものすごい効果があると実感しています。欧米ではリーダーシップ開発などにも応用されていて、特にアメリカだとMBAとかロースクールとかでも実際に教えられていることが多いです。
さらにVUCA(Volatility 変動性・Uncertainty 不確実性・Complexity 複雑性・Ambiguity 曖昧性)などで言われる「予測できない・正解がない時代において、正解がないままでもいられるか?」といったマインドの持ち方だったり、自分の主体性を取り戻す時に、マインドフネスはとても役に立つと思います。また現代社会ではストレスマネジメントの必要性も高まってきていますが、そこにもとても効果があります。
マイケルジョーダンをはじめとしたプロスポーツ選手やビルゲイツなども瞑想をやっていますし、実践することでパフォーマンスの向上につながりますので、それを継続するモチベーションにつなげていただければと思います。
マインドフルネスの効果
マインドフルネスには様々な効果がありますが、ここでは主なものとして以下の6つを挙げます。
1, 集中力が増す
実は人間の脳って集中できないようになっているんです。マインドフルネスは、集中が逸れたら気づく、気づいたら戻す、という訓練を行うので、結果として自ずと集中力の筋力が付いてきます。
2, 明瞭さが増す
明るい感じ、クリアな感じが増してきます。
3, 穏やかになる
科学的な研究成果から、瞑想の実践がダイレクトに脳の中の扁桃体(感情や落ち着きに関係する領域)に影響することが分かっています。さらに継続することで可塑性によって脳の神経回路も変化してくるので、穏やかになります。
4, 幸福度が高まる
幸福度と脳の関係も明らかになりつつあります。マインドフルネスによってその脳領域も活性化するので、幸福度も高まるという研究結果も沢山あります。
5, 自分を客観視できるようになる
リーダーシップへの効果で大きいのは、自分を客観視できるようになり、自分への囚われから離れることができるようになります。
6, EQが高まる
1の集中力が増す、や3の穏やかになる、などとも関連がありますがEQ(こころの知能指数)が格段に上がると言われていて、感情の解放も進んでいきます。
【松村 憲】ビジネスリーダーのためのマインドフルネス 24講
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