マインドフルネスの確立のために必要な4つの柱
についてお話をしました。
第3回目の今回は「心」を観察する、についてお話します。
今この瞬間にマインドフルになることに慣れると、次の段階では「心」そのものにマインドフルネスを向けることができるようになります。
さて、ここでいう「心」とは、わかりやすくするために
- 意識の中に生じている感情、 そして
- 思考(認識)
と捉えます。
マインドフルネスが高まると自ずと、自分の心において生じることにも気づきやすくなるでしょう。PCに例えるならばメモリが増設されたようなイメージでしょうか。
目次
感情を観察する
ビジネスの文脈においても感情を上手く扱えることの必要性は認識されているところです。とはいえ、感情とはなかなかにやっかいなもので、上手に扱える人は少ないでしょう。だからこそマインドフルネスになることが大切です。
感情に意識的になれていないと、いつの間にか大きな感情の波に呑まれたり振り回されたりするものです。感情を適切に扱うには、生じている感情にマインドフルになり客観的に眺めることが必要です。
練習としては普段のように座り、呼吸や感覚ではなく、自分の中に生じている「感情」に意識を向けてみます。感情を普段から抑圧している人には最初は難しいかもしれませんが、マインドフルネス瞑想を続けると自ずと感情への知覚も高まるでしょう。
今この瞬間 あなたの心にはどのような感情が生じているでしょうか?
怒りを見つけるかもしれませんし、悲しみや寂しさ、喜びを見つけるかもしれません。感情は一つというよりも、複数同時に生じることも多いでしょう。
それがネガティブなものであれ、ポジティブなものであれ、見つけたら素直にその感情があることを認めてみます。自分が感情を持っていることを認め(実はこの段階ですでに感情に呑まれずに適度な距離ができます)、ただその感情が生じていることを観察しましょう。
呼吸や感覚と同じで、感情もまた変化する現象にすぎません。
感情は認め、客観的に観察できると 自ずと浄化されていく傾向にあります。
思考を観察する
今この瞬間、あなたの心にはどのような思考が生じているでしょうか?
マインドフルネス瞑想を始めて驚くことは、自分の心に自動思考(雑念)がたくさん生じていることに気づくことです。私たちは主体的に心をコントロールしているようでいて、意外にも多くの自動思考に影響を受けていたりします。
マインドフルネスが高まり、自分の中で生じてくる思考に気づく余裕が出てきたら、その思考をあるがままに観察してみましょう。
思考を観察するコツ
この時、思考について考えたり、分析したりはしません。
思考がまるで水の底から湧いてくる泡のように、やがては水面に出て消えていくのを見守りましょう。
必要のない思考や思い込み、ネガティブな思考がまたネガティブな感情を作りだしているサイクルに気づくことができるかもしれません。
感情と思考を観察し続けていくと?
感情や思考がクリアになることは、仕事においても相乗効果を生むとともに、
仕事をしながら自分の心が自ずと成長していくというサイクルに入る
ことも意味するでしょう。
次回は「心のプロセス」、仏教の中では「ダルマ」と言われる自然法則の観察に触れていきます。
思考観察するための5分間瞑想
【連載 ブッダの教えとマインドフルネス】
① 「身体」を意識する
② 「感覚」 に気づく
③ 「心」を観察する
④ 「自然の法則」の観察