マインドフルネスがビジネスリーダーに必要な理由

マインドフルネスの語源

近年、「マインドフルネス」という言葉をよく聞くようになりました。

こちらの言葉は、もともと物事に「気づく」こと、微細な変化に注意を向けられるようになること… を意味する単語でした。しかし、アメリカを中心とした動きの中、いつしか瞑想や仏教思想を理解するために使われるようになり、今では ヨガや気功、武道などを習うように、習慣や技法としての意味合いに変化し、奨励されるようになってきています。

 

マインドフルネスが注目される背景と定義

この「マインドフルネス」が注目された背景には、不確実性が高く、安定的な成長 あるいは安全な状態が維持することが困難になってきた私たちの外部環境があります。経済は発展し、その大きな波に乗っていれば安心と安全が確保できていた。その中で、私たちはエスカレーターに乗っているような錯覚に陥っていた…とも言えます。しかし、本来 自然の摂理はアップダウンがつきもの。そんな状況の中で 外の環境に依存していたのでは、変化が訪れた瞬間に波に呑まれ、自分の人生が意図しない方向へと押し流されてしまうかもしれない…。

マインドフルネスとは、評価や判断をすることなく、偏見を持つことなく ありのままに「今、ここ」を見ることができる”技術” あるいは”スキル”です。事実を事実として ありのままに見ることができるようになる…。そうすることで、私たちの日々の言動は大きく変化してゆくことが可能です。例えば、これまでに勝手につくりあげてきた不必要な不安から自由になることができます。自分ではコントロールすることのできない他人からの評価や扱い。これらに振り舞わされず 自由になることができます。さらには、知らずしらずのうちに培われた信念体系から自由になることで、これまでとは全く異なる洞察を手に入れることも可能となるのです。(当然、訓練は必要となりますが)

マインドフルネスによって自由を得る

自由とは、ブッタの定義によると「自らに由る」ということなのだそうです。他人から押し付けられた価値観によってではなく、自らの意志、自らの価値観、自分らしい、自らが本来持っている軸に改めて立つこと…。近年、企業においては自律的に動ける人材が求められています。また、働き方も以前よりは選びやすくなってきました。少しずつ、我が国でも異なる価値観を持つことが許容され、社会に適応するだけでなく 自分自身の「軸」をもって活動すること… が奨励されてきているように思います。その理由は、たとえ強固な基盤を持つ企業であっても。そしてどのような強いリーダーであっても、実のところ この不確実な時代の中で 何をどうしたらいいのかなどわからないからだと思うのです。

変化の激しいカオスの時代に マインドフルネスは起こるべきして起こってきた一つの潮流のように思います。そんな中で他人と自分を比較せず、自分らしくどう生きるのか。そのためには、今 自分が立っている場所を「ありのままに観察する」技術を、まずは身につけなくてはならない。

現在の世界に閉じこもったまま、波に呑み込まれるか。或いは、変化の波に乗り それを楽しむことができるか…。マインドフルネスは、その後者の可能性を広げてくれるテクニックであると私は考えています

ABOUTこの記事をかいた人

2003年よりマインドフルネス瞑想を続けている。
15歳までヨーロッパで育つ。慶応義塾大学を卒業後、アクセンチュアで組織戦略・人材開発のコンサルティングに従事し異例のスピードで昇進。アクセンチュア・ジャパン 史上 最も若い女性マネジャーとして抜擢される。その後、独立系コンサルティング企業でビジネス開発に携わる傍ら、キャリアコンサルタント及びコーチとして活動。不確実な時代の波を乗りこなす事業の在り方やビジネスパーソンとしての生き方について考えるようになる。
2010年、ビジネスの世界を離れて精神世界の手法や瞑想などを研究しながら年間500人以上のクライアントへセラピーを行い、自らも多くの神秘体験をする。現在は、その時の体験や視点を活かしながら 事業活動、企業のコンサルティング、カウンセリングなど幅広く展開。
監訳書として、『コーチング術で部下と良い関係を築く』、共著に『「ハイパフォーマーの問題解決力」を極める』がある。