マインドフルネスで視点をシフトさせる

瞑想歴30年以上の Peter Bliss さんがご自身の経験や 様々なビジネスパーソンへマインドフルネスを教えながら培った考え方やノウハウを語る連載、『マインドフルネスを活用してビジネスゴールを達成する25の方法 ⑨』をご紹介しています。
今回は最終回、Top Tip 1になります。

過去記事は以下をご覧ください。
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1. マインドフルネスを通じて認識を変える

「物事への見方を変えれば、物事自体が変わります」

量子理論の創始者でありノーベル賞受賞者であるマックス・プランクは言いました。

「あなたに何が起きているか、が問題なのではありません。あなたが”それ”をどのように認識し、どのように反応するかが問題なのです」

哲学者、心理学者、医師でもあり、心理学を初めて教えた人物であるウィリアム・ジェームスは、近代心理学の父としてよくこのように言いました。

「あなたが今この瞬間にいるときに、問題は溶け去ります」

ジョン・ディマティーニ博士は言います。

私は決して完璧になることはできませんが、『今』は 『これまで』よりも満足しており満たされています。そしてリラックスしていて、自分自身でいることを心地よく感じています。
様々なテクニックを学んできて最終的にマインドフルネスに落ち着きましたが、私の人生や物事に対する認識は今、かつてよりもはるかにバランスがとれています。
様々なテクニックとは、瞑想や気功、太極拳、ヨガやディマティーニメソッドのことで、私はこれらを毎日実践し、そして自分のビジネスの一部としてこれらを個人や企業で教えています。

一つの視点だけだとバランスが保てない


もし私たちがチャレンジ(挑戦)よりもサポート(受容)の視点に立てば、自律神経の一方のシステムである副交感神経が働きます。そして脳は特定の化学物質を生産し、私たちの生理機能に影響を与えます。これは どちらか一方に偏ってしまった視点であり、バランスを欠いた生理機能です。

もし私たちがサポートよりもチャレンジの視点に立てば、自律神経のもう一方のシステムである交感神経が働きます。そして脳は特定の化学物質を生産し、私たちの生理機能に影響を与えます。こちらもまた視点のバランスが均衡でなく、バランスを欠いた生理機能です。

言い換えれば、現実に起きていること、注意を払っていること、考えていることへの ”視点” が肉体に影響を及ぼし、現実を作っています。
したがって、人生の中で「認識し終わった」過去の感情的な荷物や出来事は、視点を変化させることによって手放すことが可能となります。


マインドフルネスによって認識・視点に変化を…

マインドフルネスはあなたの永遠に終わらないほど長い「やるべきこと」リストに付け加えなければならないものではありません。
それは今すぐにでもできることで、そしてすでにあなたの中にあるものです。

「科学」は今このことを圧倒的に支持しています。
神経可塑性エピジェネティクス(ノーマン・ドイッジ博士による素晴らしい本『脳は奇跡を起こす』(”The Brain That Changes Itself)、『脳はいかに治癒をもたらすか』(”The Brain way of Healing)と、
ブルース・リプトン博士の著書『「思考」のすごい力』”The Biology of Belief”) がこれを確証しています。

ディマティーニ博士によれば「あなたの運命のマスターになるか、それともあなたの歴史の犠牲者になるか」私たちは選択することができるのです。

マインドフルネスは、あなたがただ出来事に反応するより、それに対して(意識的に)応えることを可能にします。
あなたが『今ここ』にいるとき、すべてがより豊かになります。今この瞬間にあなたが経験していることは、あなたがどこに注意を払っているかに大いに影響されます。

「マインドフルネスはどこか別の場所にたどり着くことではありません。
それはあなたが今すでにいる場所によりしっかりと留まること。
あなたが、完全にそこに ”いる” ときの存在感と気づきが持つ力に、今この瞬間に気づくことなのです。」


グーグルのエンジニアであり ”Search Inside Yourself” の著者Chade-Meng Tanの言葉です! 

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マインドフルネスを活用してビジネスゴールを達成する25の方法
の連載は今回で終了です。

ピーターは個人やグループ、職場でのコーチングやワークショップや会議、またはミーティングセッションなども担当しており、瞑想や気功、そしてディマティーニメソッドを教えてくれます。

英文の記事はこちら:25 Hot Tips for Reaching Business and Life Goals: Part Nine

翻訳:田中留亜


【連載 マインドフルネスを活用してビジネスゴールを達成する25の方法】

 ① Tips 25-21 : 自分が話す2倍聞きましょう 等
 ② Tips 20-16 : あなたが望む1日を創造しましょう 等
 ③ Tips 15-11 : 思考があなたを創る 等
 ④ Tips 10-6 : 親密さ, 感謝, 能力を信じる
 ⑤ Tip5 : 心の健康を意識すると変化が起こる
 ⑥ Tip4 : マインドフルに呼吸して創造力を解放する
 ⑦ Tip3 : あなたが本当にやりたいことに取り組みましょう ~あなたの「目的」を自覚する
 ⑧ Tip2 : 瞑想を学びましょう
 ⑨ Top Tip1 : マインドフルネスで視点をシフトさせる

マインドフルネスおすすめ情報

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ABOUTこの記事をかいた人

瞑想経験30年以上。 企業にマインドフルネス教育を行うエグゼクティブコーチ。気功と太極拳のインストラクターとしても活動している。 国際企業で20年間のセールスやマーケテイングを経験したのち、シニアマネジメントとして活躍。姉を精神的な病で失った経験から 人間としての在り方、深い苦しみを克服する方法、人々の心のケアや健康について考えるようになる。2000年に Business Is Blissを起業。現在は、リベラルアーツの知恵、科学的アプローチ、自身のビジネス経験を組み合わせ リーダーの意思決定や組織の活動をサポートしている。TEDでの講演も行っている