そもそも「瞑想に成功も失敗もありません…」という風に 瞑想のマスターなら言いたくなるのでしょうが、
マインドフルネス瞑想を始めてすぐの方が気になるテーマとして、
「上手くできるようになるためには、どうしたらいいの?」
というのがありますよね。
私は銀座のスペースで月に一度 松村憲さんと 瞑想の道場を行っています (※現在はZoomを利用したオンラインサロン形式での瞑想会を行なっています)が、こちらに参加されるリーダーの皆さんのほとんどが「一人だと上手くできない」とおっしゃいます。
もちろん、道場という場なら 全体が「瞑想をする」という意図をもっていますので適度な雰囲気も醸成されていますから、深く入りやすいのは間違いありません。その状態を 一人でも作るのには、やや難しいものがあります…。
ただ、おひとりで瞑想をされる際に 知っておくと役に立つことがあります。
下記は「奇跡の脳」(新潮文庫)から ジル・ボルト・テイラーさんの 引用です。
マインドフルネス瞑想のおすすめ本|『奇跡の脳』
たとえば怒りの反応は、自発的に誘発されるプログラム。
ひとたび怒りが誘発されると、脳から放出された化学物質が体に満ち、生理的な反応が引き起こされます。最初の誘発から90秒以内に、怒りの科学的な成分は血液中からなくなり、自動的な反応は終わります。
もし、90秒が過ぎてもまだ怒りが続いているとしたら、それはその回路が機能しつづけるようにわたしが選択をしたからです。(『奇跡の脳』p.237)
感情は変化する – ビジネスリーダーの感情マネジメント法
仕事モードにスイッチを入れていたとしましょう。
自分で決めていた時間がきたので瞑想をしようする。タイマーをセットして 背筋を伸ばして目を閉じます…。呼吸に意識を向けようとしますが、さきほどのメールの内容が気になって「どのように返事をしようか?」と 脳の中で勝手にブレストが始まってしまいました。
それは、テイラーさんの上記の視点からみたら当然のことです。
もし、そのサイクルが始まったなら 「うわ、まずい。呼吸に意識がむけられていない。戻さなきゃ…」と考えるのではなく、まずは ブレストをしたがっている脳のプログラムに好きにさせればいい。
そして90秒ほど待って、ゆっくり意識を呼吸に向けられるか試してみる。
慣れ親しんだ思考や感覚に意識が向かう「くせ」は 当たり前のもので、かつとても強力です。
このような”プル(引き)”が出てきたら、ある程度好きにさせてからゆっくり戻す。
戦ってはいけません。
こんな風にご自身のプログラムをじっくり制御できるようになることが大切だと思います。
ぜひ、試してみてください。