日常生活にマインドフルネスを取り入れる方法 – 五感を磨くプチ贅沢<前編>では、視覚、嗅覚、聴覚の3つのアイデアをお伝えしました。
後半では残りの二つをご紹介していきます。
目次
4, 味覚とマインドフルネス:食事を通じた幸福感の向上
4番目は味覚です。
食べる瞑想とも言われますが、マインドフルネス・イーティングという方法もGoogleの瞑想プログラムでも行われています。干しぶどう一粒をゆっくり味わう、といった方法です。
ご自分にとって美味しいと感じるものを食べること、そしてその美味しさに集中して味わうこともマインドフルな体験です。食事中に他のことを色々考えたり、仕事しながら、テレビを観ながら食べるのと、お食事に集中して味わって食べるのでは、幸福度が違ってくるのかな、と思っています。
大事なのは、じっくり味わって「おいしいなー」と実感しながら食べることかなと思います。
食生活を見直して、ストレス改善を
また、食生活習慣の乱れや栄養バランスの偏りなどが原因で、恒常性維持やストレス解消に効くホルモンや神経伝達物質が分泌されにくくなることもあります。もし心身の不調やストレスを感じたときは、普段のご自分の食生活を見直して、様々な食材・栄養素をバランスよく摂ることも大切です。
具体的に3つのストレスに効く神経伝達物質とそれらを増やすためのオススメの食材を挙げました。参考にしてみてください。
①セロトニン
セロトニンは安心感・幸福感をもたらす神経伝達物質の一つです。ヒーリングやスピリチュアルな活動をしている方々の間でもセロトニンについて話題になっていることがありますが、医学的にも更年期障害やうつ病・パニック障害などの疾病にもセロトニンの不足が関わっていることが知られてます。
セロトニンは必須アミノ酸(体内で合成できず食事から摂らなければならないアミノ酸)のトリプトファンから体内で合成される物質なので、セロトニンを増やすためにはトリプトファンを多く含む食品を摂ることもオススメです。
トリプトファンを多く含む食材:バナナ、赤身肉、赤身魚、レバー、鶏肉、卵、ナッツ類、アボカド、トマト、大豆製品、そば、など
②GABA
GABAも最近、ストレス低減や睡眠の質向上をうたったチョコレートに含まれていたりして、聞いたことがある方もいらっしゃるでしょうか。
GABA(γ-アミノ酪酸)も神経伝達物質の一つで、鎮静、抗痙攣、抗不安作用が知られています。最近ではストレス緩和、快眠、美肌効果、脂肪燃焼促進効果なども注目され、健康志向の人たちの間で話題になっています。
GABAの生成を増やす食材:玄米・発芽玄米・大麦などの穀物、大豆もやし、ほうれん草、じゃがいも・さつまいも・山芋などの芋類、ケール、など
③DHA・EPA
青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸のDHA (ドコサヘキサエン酸)、EPA エイコサペンタエン酸) は、血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、動脈硬化や血栓症などの生活習慣病、またがんの予防効果が知られています。最近では抑うつ効果やストレス解消効果があることも話題になっています(国立長寿医療センターHPより)。
DHA・EPAを多く含む食材:青魚(さんま、さば、あじ、あなご、まぐろの赤身、あゆ)
原油高などで青魚を定期的に食べられていないなぁ、という方は青魚の缶詰やサプリメントを活用するのもおすすめです。その際は缶詰の中の汁もお味噌汁などに入れて活用するのがさらにオススメです。
最近忙しくてファストフード、おにぎりやパンなどの炭水化物に偏っていたなー、など感じられたら、意識的にスーパーやコンビニでの買い物や外食でこれらの食材をチョイスしたり、お時間を取れるときはお食事中だけはマルチタスクを止めて集中して味わって食べてみてください。
Source : 瞑想チャンネル for Leaders
5, 触覚の重要性 – 気持ちの良いものを触ることの効果
最後は、気持ちの良いものを触るなど、触覚についてお話しします。
前回の視覚のお話で、動物たちの写真を紹介したことを覚えていらっしゃるかもしれませんが、触って気持ちの良いもの・肌触りのよいものを実際に触ることも効果がありますし、写真を見たり想像することも非常に有効です。
オキシトシンの分泌と幸福感
特に、ストレスを感じたときに『今ここの自分自身』に戻るために、気持ちの良い手触り感や肌触りの良いものに包まれている感覚などを思い出していただく、実際に触ってみることはおすすめです。
このような感覚によって、愛情ホルモンであるオキシトシンが分泌され、幸福感が増します。
また、慈愛の瞑想では、セルフハグという自分自身を抱きしめながら瞑想をすることもありますが、これも安心感や優しさを増すような気分になるなどの効果があります。
Source : 瞑想チャンネル for Leaders
【東洋医学】手軽にできる ツボを刺激してみる
触覚の最後は、ツボについてです。
東洋医学では身体中に様々なツボがあると言われていますが、ツボのところにお灸やホットのペットボトルで温めたり、指で押したり揉み解したるりすることで刺激することも効果的です。
現在は煙が出ないお灸やシールタイプの鍼などもありますので、ツボを刺激しながら家事や仕事をすることもできます。
せんねん灸 太陽 火を使わないお灸 | 家庭用貼付型接触粒 セイリン こりスポッと |
よもぎエッセンシャルオイルの温熱効果で、 火を使わずツボに貼るだけで温熱効果が3時間持続します。 | こちらは鍼先がなく皮膚に刺入なし、押圧によるツボ刺激が可能な接触粒。 接触部の素材が樹脂なので、金属アレルギーの方もご使用いただけます。 こちらは効果が数日持続するのでコスパもヨシです。 |
ただ、マインドフルネスという観点で言うと、お灸の温かさにじんわりと集中していく、とか、押した時の身体の感覚を感じてみる方が、よりマインドフルでリラックスにも効果的かなと思います。
またツボブックという、せんねん灸と同じ会社から出ている本もあり、それぞれの用途に合わせて適切なツボが解説されています。より詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
以下、知っておくと便利な代表的なツボを3つご紹介します。
① 風府(ふうふ)
こちらのツボは仕事中でも疲れたな、と感じた時にご自分で指で押して刺激することができます。
場所 背骨から上がって髪の生え際と後頭部の一番高いところの中間点
効能 頭がスッキリする、高血圧、頭痛、目の疲れ、めまい、物忘れ、首のこり
② 神門(しんもん)
ここは緊張や動悸などが起きたときに押してあげると良いでしょう。また、昨日あまり良く眠れなかったなと感じた時にも触ってみてください。
場所 手首の内側、小指の下、手のひら側で手首の小指寄りの端にある窪み
効能 不眠や動悸が止まらない時の解消など
③太衝(たいしょう)
最後の場所は、人前では難しいかもしれませんが、1日の終わりに湯船の中で指で押してみたり、お灸を置いてリラックスするのに最適です。
場所 足の甲の足の親指と人差し指の骨が交差するところの前の、凹んだ場所
効能 ストレス解消、イライラ、足のむくみ、PMS、シミ、など
おわりに
今回は、マインドフルネスを取り入れたプチ贅沢のアイデアについてお話しさせていただきました。日常の中で五感を意識し、心と身体のバランスを整えることはとても重要です。
ぜひ、今回ご紹介したアイデアを実践して、日常生活の中でのマインドフル体験を増やし、よりマインドフルネスの効果を活かせる機会が増えると幸いです。