これまで、集中瞑想、観察・洞察瞑想によってもたらされる脳の変化や影響についてお伝えしてきました。今回はその3回目、慈悲・慈愛の瞑想の効果についてまとめていきます。
以前ご紹介した2つの瞑想法(集中瞑想・観察瞑想)と比較して、慈悲・慈愛の瞑想は
- 短期間で主観的・客観的な効果が出やすい
- 上座部仏教における瞑想の一種を起源とし、仏教色が強い
などの特徴があります。
目次
慈悲と慈愛の違い
まずはじめに慈悲と慈愛の定義と違いについてです。慈悲と慈愛は厳密には異なるものとされます。
◼️ 慈愛(Loving-kindness)
・親が子に抱くような深い愛情、
・他人の幸福を願うこと、
・全ての人に対して無条件の愛や優しさの感情を作り出すことを目指す、
つまり外向きの感情になります。
◼️ 慈悲(Compassion)
一方、慈悲は元は仏教用語で、
・自身や他人の苦しみを和らげたいと願う心の働き
・不幸に見舞われた人への思いやりの技術や深い共感
と定義されます。
これらの概念はそもそも仏教や東洋のものなので、欧米ではこれら二つを合わせて慈しみと翻訳されていたりします(以下、この記事では慈悲・慈愛・慈しみをまとめて『慈悲』と述べます。)。
さらに心理学者のクリスティーン・ネフは、東洋では古くからあった自分自身に『慈悲』を向ける、という概念をself-compassionという単語を用いて、初めて西洋や心理学の研究分野に紹介しました。
セルフ コンパッションとは:
・自己批判をやめて自分に優しくすること
『心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明』より引用改変
・失敗や過ちを自らの欠陥と捉えるのではなく、コンディションの不調と考えること
・自分の至らない点を知ることは大事だがくよくよと思い悩むことはない、
といった考え方です。
簡単に言うと、自分自身に対して思いやりや共感の心を向ける在り方です。このような在り方では、次のような心の変化が起こると言われています (ref. 1)。
セルフコンパッションの効果
自分自身に思いやりの心を持ち、優しく接する
→ 自分自身の苦しみを和らげたいという欲求を生み出す
→ 優しさで自分自身を癒し、それにより感じ取った自分自身の人間性を認識し直す(認知の歪みを減らす)
→ 自分に感じていた自己否定的な面について考えるときに、より注意深く、思いやりをもって見ることができるようになる
→ 自己批判が減る
その結果、過去の失敗やそれに伴う恥ずかしさや自分への拒絶などの反応が和らぎ、想像や記憶、思い込みによる自分自身に対するネガティブな感情が少なくなる (ref. 2) とのことです。これは前回お話した観察瞑想の『過去にとらわれる頻度が減る』という効果にも似ているのかもしれません。
現代社会で生きていく上で「自分は何者なのか?」と悩み疲れてしまった人にとって、セルフ コンパッションはあるがままの自分を受け入れ、自分自身に安らぎや穏やかさをもたらしうる、今とても必要とされている考え方の一つかなと感じました。
◼️ 松村憲さんの慈悲・慈愛の瞑想(7分間フルバージョン)
Source : マインドフル瞑想チャンネル
共感 三つの形態
慈悲の瞑想によって養われるとされる『共感力』は、厳密にはその内容によって以下の三つに細かく分類できるそうです。
(『心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明』)
① 認知的共感 他人の視点を身につける
② 情動的共感 他人が感じていることを自分のことのように感じる
③ 共感的感心 思いやり
私たちが良く耳にする一般的な共感は、①と②を指すことが多いです。これらの共感は他者と生きていく社会生活では必要なものですが、これらだけですと逆に、他人の悲惨な状況を目撃するとそれらを自分のことのように感じてしまい、心や感情が乱される、辛すぎて見なかったことにする、苦しんでいる相手から目を逸らす、という傾向が出てくるとのこと。
そこで慈愛の瞑想で育まれるとされる、上述の③の共感的関心・思いやりが大きなポイントになってきます。
仏教に学ぶコンパッションの力 – ビジネスパフォーマンスを高めるチームマネジメントの秘訣
慈悲の瞑想・慈愛の瞑想のフレーズ やり方
では次にその瞑想方法についてお話します。
慈悲の瞑想は、自身、他者、ひいては全ての存在の幸福を意図する、東洋の上座部仏教の思想に基づいた瞑想法で、「全ての存在が幸せでありますように」などのマントラ(フレーズ)を唱えるのが基本となります。
最初に自分自身に愛と慈しみの思いを送り(セルフコンパッション)、徐々に対象を広げていきます。
十分に自身へのセルフコンパッションを感じられたら、
次に周囲の家族や仲の良い友達、
その次に中立的な人(日常的に会う近所の人、職場の人など)、
その後にどちらかと言えば苦手な人、
そして最終的には宇宙全体に対して「生きとし生けるものが幸せでありますように」というパーリ仏典に出てくる言葉を繰り返し、全ての幸せを願う
なお、慈悲の瞑想で自分自身や家族など大切な人を対象にして幸せを100時間願うのと、嫌いな人苦手な人を対象にして彼らの幸せを1時間願うのとでは、ほぼ同等の効果が得られる、という説もあります(『心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明』)。
私自身あまり慈悲の瞑想に馴染みがなかったのですが、松村さんのオンライン瞑想会で初めて体験して、不思議と温かい気持ちになり、興味を持ちました。
以下、松村さんの著書『日本一わかりやすい マインドフルネス瞑想』の『愛と慈しみの瞑想』から引用します。
『愛と慈しみの瞑想』
人間関係を円滑にします。
瞑想というより祈りに近いものです。
簡単にいうと、まず自分に向けて愛と慈しみの思いやエネルギーを送ります。自分が幸せであるように、不安や苦しみから解放されるように、安心できるように、心から願っていきます。
(中略)
十分に自分の幸せが感じられてから、はじめて、周囲の人にその意識を広げていきます。「人のために働きたいならば、まず自分を救い、幸せにしましょう」というのが仏教にルーツを持つ、マインドフルネスの考え方です。松村憲 著『日本一わかりやすい マインドフルネス瞑想』p126-7より引用
慈愛・慈悲の瞑想(メッタ瞑想)の効果
この「生きとし生けるものが幸せでありますように」というフレーズを心の中で唱えたり、録音された音源を聴きながらマインドフルな心を向けることで、人への共感力、思いやりの心、優しさ、社会的感情的スキルが増していくことが統計学的にも明らかになっています (ref. 3)。
さらに慈悲の瞑想は、敵意や怒りなどの傾向が強い人に より効果的であるとのこと (ref. 3)。
ちなみに小島美佳さんが脳波計museを着用して慈悲の瞑想を行った結果は『calm』でした。
慈悲の瞑想は、東洋では仏教の修行の中でも古くから行われてきていたこともあり実践者も多く、さらに後述するように短時間でも効果が現れる傾向があることから、科学的な検証もかなり行われています。
ここからは慈悲の瞑想を行なった際の効果についての統計学的データについてご紹介し、脳科学的な文献のご紹介は次回お届けしていきます。
1, 思いやりの心が養われる
ドイツ・マックスプランク研究所での研究で、共感を育む瞑想の影響の調査が行われました (ref. 4)。
通常、人はやけどなどで苦しむ人々の映像・画像を見たときには上述の②の情動的共感のみが反応し、その悲惨な画像から目をそむけようとします。
しかし、指導者から慈愛の瞑想(Loving-kindness meditation, LKM) を合計6時間習い、さらにコンパッション トレーニングを2週間継続して行うと、上述の③の共感的関心が養われました。
その結果トレーニングを受けた人たちでは、苦しむ人々の画像を見たときに感じられる心の動揺やネガティブな感情が減少し、起きている出来事から目をそむけず、ありのままを受け止めることができるようになったとのことです。
また別の論文 (ref. 5) では、229人の被験者を3つのグループに分け、
① 呼吸瞑想・ボディスキャン,
② 慈愛 (Affect)の瞑想,
③ 思考観察の瞑想
をそれぞれ9ヶ月間実践し、参加者が毎日感じたことなどのレポートを提出、集計したところ、他の瞑想方法と比較して②の慈愛のトレーニングでは他人への優しさや寛大さが養われ、前向きな思考や感情の増加につながる傾向が見られました。
■世界で最も愛されているCEO
Linked Inのジェフ・ウェイナー氏も、思いやりのマネジメントの重要性を説いています。
脳科学が教える幸福の秘訣!感謝と思いやりで職場のエンゲージメントを向上させる
2, ポジティブな感情が増し、自己肯定できるようになる
元々、自己批判の傾向の強い人への慈愛の瞑想の効果を調べた論文もありました (ref. 6)。まず、あらかじめ心理テスト等で自己批判や完璧主義の傾向が強い人々を抽出し、慈愛の瞑想(LKM) プログラムを行いました。
具体的には少なくとも週5日ガイド付きの録音を使用して自宅でLKMを練習し、9週間の間に熟練した瞑想家と共に60分のグループセッションを6回行いました。プログラム受講後に待機群(LKMプログラムを行わなかったグループ)と比較すると、自分自身に対して厳しい言葉をぶつけることが少なくなり、同時にセルフコンパッション・肯定的な感情が増えました。
同様なポジティブな感情の増加は他にも報告されています (ref. 7)。ビジネスソフトウェア会社にて139人を対象に慈愛の瞑想 (LKM) を7週間実践した結果、人生の満足度の向上や抑うつ効果などが見られたとのことです。
3, 効果をすぐに実感できる
集中瞑想や観察瞑想は、継続によって次第に集中力や観察力が養われること、なかなかすぐには効果が感じられなくて途中でやめてしまう人もいる、ことが指摘されていますが、慈愛の瞑想 (LKM) では7分間の瞑想でも効果が見られた、という報告があります (ref. 8)。
具体的には93人の被験者を、7分間のLKMを行うグループと、行わないグループに分けて瞑想の効果を調べました。7分間のLKMでは、参加者の愛する人が両隣にいて自分に愛を送っていることをイメージ・想像してもらいました。その後、両方のグループの人たちにそれぞれ見知らぬ人の画像を見せた場合、LKMを行ったグループの方が見知らぬ人に対する認知が優位に高まりました。つまり、新しい個人に対して社会的つながりを感じやすくなる、社会的感情が高まる、ほんの数分間のLKM瞑想でも社会的孤立を減らすことに効果がある可能性が示唆されました。
4, 精神的な回復力が増す(うつや社会不安、トラウマの解消)
ref. 4の論文では、他人の不安や痛みを自分のことのように感じ取り共感することでもたらされる苦悩や精神的な苦痛(看護師さんなど)が、慈しみの心を向けるトレーニングを行うことで3番目の共感である共感的感心が身につき、その結果精神的な回復力も増すことが示されています。
また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患う退役軍人を対象とした公開パイロット試験の追跡調査結果をまとめた論文では、慈愛の瞑想(LKM, 自己や他者に対する前向きな意図のフレーズの繰り返し)がPTSDにも効果があることが報告されています (ref. 9)。
LKMプログラムは12週間行われ、プログラム開始前、12週間のプログラム終了後、およびその3か月後に、PTSD、うつ病、セルフコンパッション、およびマインドフルネスの測定が行われました。その結果、3か月後のフォローアップでは、PTSD症状が大きく軽減しており、うつ病にも中程度の効果が見られました。
5, ストレス耐性がつく
ストレス耐性への影響も調べられています (ref. 10)。
瞑想経験の浅い7人と瞑想経験が豊富な5人の被験者に対し、20分間の慈愛の瞑想(LKM)を行ってもらい、その前後のストレスレベルの変化を測定しました。心拍数(HR)でのストレス評価では、瞑想経験が豊富な群では瞑想前後で変わらず一貫して心拍数が少なく、瞑想経験が浅い群では20分間のLKMで優位に心拍数が減少(ストレスレベルの減少)が見られました。また循環器系のメディエーターである一酸化窒素量に関与する血漿中の硝酸塩(硝酸塩はチーズや清酒、ベーコンなどに含まれます)の量を調べたところ、瞑想経験者の硝酸塩レベルが瞑想経験の浅いグループよりも2倍以上優位に高く、瞑想の継続による心拍数の減少については、血漿中の硝酸塩代謝が影響していると考えられました。(硝酸塩代謝によって作られる一酸化窒素は血管内皮に作用し、血流量を増やす効果があり、ニトログリセリン等一酸化窒素化合物が心臓病の治療に用いられるのもこのためです)
また、『心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明』著者のリチャードデビッドソン教授の2018年の論文 (ref. 11) では、各種瞑想法とストレス耐性との関連を詳細に調べています。
この論文では166人の大学生を4つのグループに分け、
①呼吸認識(Breath awareness)、
②慈愛(Loving-kindness, 慈愛の瞑想の誘導音源を聴く)、
③感謝の気持ち(Gratitude, 自身が感謝を感じた体験などを思い出し追体験する、など)、
④注意制御(attention control)
の4つのプログラムをそれぞれ行った後に(どれも12分間程度のガイド付き音声指導など)、ストレステスト(氷水の中に利き手ではない手を3分間つける。誰でも確実に自律神経的ストレス反応を引き起こすことができる)に対する生理的ストレス反応を測定したり、主観的な嫌悪感などの聞き取りを行いました。
その結果②の慈愛の瞑想法ではストレスに対するネガティブな影響が他の瞑想法と比較して優位に減少しました。逆に③の感謝のトレーニングを受けた群はストレスに対する反応や嫌悪感が増加しました。
さらにストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌量も低下することも報告されています (ref. 13)。
このように、簡易的で短期間の瞑想トレーニングでも瞑想の種類によってストレステストの結果が異なっていることがとても興味深かったです。論文にはかなり細かくトレーニング法やストレステストについても書かれているので、興味のある方は是非読んでみてください。
6, 細胞老化の抑制
さらには、慈愛の瞑想が老化の進行を遅らせることも分かってきています (ref. 12)。
通常私たちの細胞は分裂に伴って、染色体DNAの末端に位置するテロメアと呼ばれる領域が短縮することが分かっています(そのためテロメアが限界にまで短縮すると細胞分裂が止まり老化となります)。先行する慈愛の瞑想の老化への影響を調べた論文の結果をさらに検証するため、この論文では12週間の慈愛の瞑想(LKM)を行った群と何もしていない群で細胞のテロメアの長さを比較しました。その結果、瞑想を行った群の方が優位にテロメアの短縮スピードが遅くなっており、つまり細胞レベルでの老化の進行が抑制された可能性が考えられました。
7, 体内の炎症を減らす
その他にも慈悲の瞑想などで思いやりを育むトレーニングを行った時間と、体内の炎症度合いを示すバイオマーカー量の間に負の相関があったとのこと。
具体的には、C反応性タンパク質 (ref. 14) や炎症性サイトカインの一種であるインターロイキン6 (IL-6) (ref. 15) の体内の量が、瞑想時間が長くなるほどに減少することがわかっています。
最後に…
集中瞑想や観察瞑想は最初は自分一人で行うには難しい部分もありますが、慈悲・慈愛の瞑想は「生きとし生けるものが幸せでありますように」というフレーズを心の中で唱えたり、YouTubeなどで公開されている瞑想の音源を聴くだけでも良く、誰でも簡単に始められます。この記事でもし慈悲・慈愛の瞑想にご興味を持っていただけたら、是非一度試していただけたらと思います。
これらの慈悲の瞑想の効果はどのような脳の変化を伴うのか?慈悲の瞑想を行った際のfMRI測定などの研究データは、次回お伝えしていきます。
慈愛・慈悲の瞑想が脳に与える驚くべき効果 – 他の瞑想法とは何が違うのか?
Source : マインドフル瞑想チャンネル
参考文献(references)
- The Role of Self-Compassion in Development: A Healthier Way to Relate to Oneself., Neff KD. Hum Dev. (2009)
- Self-compassion and reactions to unpleasant self-relevant events: The implications of treating oneself kindly., Leary MR, Tate EB, Adams CE, Allen AB, Hancock J., Journal of Personality and Social Psychology, (2007)
- Loving-kindness and compassion meditation: potential for psychological interventions. Hofmann SG, Grossman P, Hinton DE., Clin Psychol Rev. (2011)
- Functional neural plasticity and associated changes in positive affect after compassion training. Klimecki OM, Leiberg S, Lamm C, Singer T., Cerebral Cortex, (2013)
- Phenomenological Fingerprints of Four Meditations: Differential State Changes in Affect, Mind-Wandering, Meta-Cognition, and Interoception Before and After Daily Practice Across 9 Months of Training., Bethany E. Kok and Tania Singer, Mindfulness (NY), (2017)
- A wait-list randomized controlled trial of loving-kindness meditation programme for self-criticism. Shahar B, Szsepsenwol O, Zilcha-Mano S, Haim N, Zamir O, Levi-Yeshuvi S, Levit-Binnun N. Clin Psychol Psychother. (2015)
- Open hearts build lives: positive emotions, induced through loving-kindness meditation, build consequential personal resources., Barbara L Fredrickson, Michael A Cohn, Kimberly A Coffey, Jolynn Pek, Sandra M Finkel, J Pers Soc Psychol., (2008)
- Loving-kindness meditation increases social connectedness., Hutcherson CA, Seppala EM, Gross JJ., Emotion, (2008)
- Loving-kindness meditation for posttraumatic stress disorder: a pilot study. Kearney DJ, Malte CA, McManus C, Martinez ME, Felleman B, Simpson TL., J Trauma Stress (2013)
- Loving-kindness meditation’s effects on nitric oxide and perceived well-being: a pilot study in experienced and inexperienced meditators. Kemper KJ, Powell D, Helms CC, Kim-Shapiro DB. Explore (NY)(2015)
- Divergent effects of brief contemplative practices in response to an acute stressor: A randomized controlled trial of brief breath awareness, loving-kindness, gratitude or an attention control practice. Hirshberg MJ, Goldberg SB, Schaefer SM, Flook L, Findley D, Davidson RJ., PLoS One(2018)
- Loving-kindness meditation slows biological aging in novices: Evidence from a 12-week randomized controlled trial. Le Nguyen KD, Lin J, Algoe SB, Brantley MM, Kim SL, Brantley J, Salzberg S, Fredrickson BL. Psychoneuroendocrinology (2019)
- Is compassion for others stress buffering? Consequences of compassion and social support for physiological reactivity to stress. Cosley BJ, et al., J. Exp. Soc. Psychol. (2010)
- Engagement with Cognitively-Based Compassion Training is associated with reduced salivary C-reactive protein from before to after training in foster care program adolescents. Pace TWW, et al. Psychoneuroendocrinology. (2013)
- Effect of compassion meditation on neuroendocrine, innate immune and behavioral responses to psychosocial stress. Pace TWW, et al., Psychoneuroendocrinology. (2009)
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