心を整え、アイデアを生み出す「音の瞑想」と「書く瞑想」

集中力の向上や創造力の開花、ストレス軽減に役立つ「音の瞑想」と「書く瞑想」。
今回は、ビジネスリーダーの方々に特化したマインドフルネス実践法としてこの2つの瞑想方法をご紹介します。

座った状態で行うマインドフルネス瞑想に加え、日々の業務に取り入れやすい新たな瞑想スタイルを身につけることで、心身のリフレッシュと共に、よりクリエイティブな発想や的確な意思決定が可能になるでしょう。

1, 音の瞑想で心を整える

呼吸や身体に意識を向けて”今この瞬間”に戻る・気づくマインドフルネス瞑想は、ビジネスパーソンの集中力向上にということを前回までお話ししてきました。しかし、音に意識を向けることでも同様の効果が期待できます。ここでは、音にを聴き『今ここ』に戻り集中する”音の瞑想“について解説します。

私たちの周りには、常に様々な音が存在しています。エアコンの運転音、街の賑やかな音、自然の音など、“今現在” 聞こえてくる音に意識を向けることで、wandering mind (放浪する心) を手綱づけることができ、”今この瞬間”に気づく集中力が養われます。これは香りも同様で、過去の香り未来の香りを嗅ぐことはできないので、今の香りを嗅ぐ、意識を向けることで集中モードに入れます。

実際、思考で過去の出来事を思い出したり体験がフラッシュバックする時、未来を心配したりする際、頭の中では関連する音や声が甦り、嗅覚や聴覚も働くと言われています。しかし、それらは現実の音ではなく過去の記憶です。音の瞑想では、そうした過去や未来の記憶にとらわれず、現実に “今” 聞こえている音だけに意識を置く練習をします。

その結果、過去に思考がさまよってもすぐに気づき『今ここ』へ戻るための集中力が鍛えられます。
現実に近づいていくと脳も休まって来るので、音をアンカーにして現実・今ここを意識してみましょう。



日々の喧騒から解放され、深い集中を手に入れる

思想家ケン・ウィルバーも説くように、

聞くことができる音は、今、聞くことができるだけである。
あなたは、過去や未来を聞くことができない。

人間が実際に聞くことができるのは “今この瞬間の音” のみ、呼吸同様、音も過去や未来の音を『今ここ』の現実では聞くことができません。音の瞑想は、この自明の原理から出発します。
聴覚は、外界の音が鼓膜や内耳で振動を起こし、その信号が内耳神経を経て脳に伝達されて初めて”音”として認識さます。

音に集中する瞑想をやる際、静かな場所に行ったり自然の中に行くことがベストだと思います。しかし中々そういった時間を取ることが難しいビジネスマンの皆さんにも、オフィスの雑音だらけの環境でも実践できる、簡単な音の瞑想『音に集中する瞑想のコツ』を音声ガイドとして録音しました。
まずは周りの音に意識を向け、それらに熱心に”耳を傾ける”ことから始めましょう。音を判断したり、反応したりせず、中立の立場で”ただ聞く”ことに集中してみてください。


実践動画:音に意識を向ける集中力トレーニング(約3分半)

以下の4分ほどの音声ガイドに従って、ぜひ『今ここの音に集中する瞑想』をやってみてください。

Source : 瞑想チャンネル for Leaders


最初は音を聞くと即座に考えが巡るというサイクルに入ってしまうかもしれません。しかし習慣化すれば、純粋に音そのものに意識を向けられるようになり、雑念から解放された集中力の高まりを実感できるはずです。
ポイントは、ただ今耳に入ってくる音に集中するだけで、その音に反応や評価判断しないということです。


2.書く瞑想で新たな気づきを手に入れる

ビジネスリーダーには創造力と新しい視点が求められます。書く瞑想は、そうした力を引き出す最適な手段でもあります。なぜなら、考えをストレートに文字に書き出すことで、思考を整理し、普段は気づきにくい内なる思いや新鮮なアイデアに出会えるからです。


潜在意識からアイデアを掘り起こすための3つのコツ

1, 書くことのテーマ(問い)に集中してください。
テーマ (問い) について考えながら、筆を動かしてみたり、僕の場合はパソコンのキーボードでタイプする派なのですが、筆記具で書くのでもパソコンへの打ち込みでもどちらでも大丈夫です。
日々の出来事や印象に残ったこと、ビジネス上の課題などなんでも構いません。大切なのはそのテーマに集中して、思い浮かんだ言葉を書き綴ることです。

2, 思ったとおりを制限なく書き留める
書く際は無理に言葉を選んだり、体裁を整える必要はありません。評価も判断もせず、マインドフルな心であるがまま思い浮かぶままに書き出しましょう。キーワードの箇条書きでも構いません。

3, 制限時間内で途切れることなく書き続ける
始める前に時間 (5-15分程度) を決め、その間はひたすら書き続けることが大切です。思考が止まった時には、「書く」ことに意識を戻すよう心がけましょう。
回を重ねるごとに、自身のリズムやスタイルが掴めるはずです。

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書く瞑想が開く新たな自己認識 -3つの効果

1, 書き出すことで、今ここに集中する状態を作ることができます。思考が “今この瞬間” に凝縮されることで、新たな気づきや発想のヒントを生む土壌となります。

2, 自分の脳の中に漠然とあるものが、書き出すことによって言語化され、自分の思考や思いなどに気づくことができます。リーダーに必須のセルフ アウェアネスを培う、自己洞察力を高めるためのパワフルなツールになります。

3, 自分の内面を言語化することで、思考を俯瞰し、冷静に分析する力が養われます。リーダーに欠かせない客観性も培われます。

日々忙しく過ごす、また年齢を重ねるごとに責任なども増え自分のことを振り返る時間が中々取れなくなる人もいらっしゃるかもしれません。自分の思考を書き出してみて、落ち着いて読み返すと「あー自分ってこんなこと考えてるのか」といった気づきがあったり、他人のことのように客観的に見ることができます。

このように書く瞑想では、自己認識力、自己洞察力、客観性などリーダーシップに必要な能力も自然と培われます。

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Source : Amazon


ビジネスシーンで活かす書く瞑想のポイント

  • 誰が読むわけでもないので、思うままに自由に書き出します。
  • あらかじめ時間を決めてタイマーなどをかけて、時間内は途切れることなく書き続ける。大体15分程度あればかなり書けるはずです。
  • 文体は問わず、箇条書きでもメモ書き、文章、どちらでも構いません、誤字脱字も気にせず思いつくままに書き出してみてください。
  • 一度書き終えたら、書いた内容を読み返して振り返ってみて下さい。見返すことによって、また新たな気づきがあるかもしれません。
  • 実践する上でおすすめの時間帯
  • ジャーナリングはいつやってもいいですけれども、夜にやるとその日あったことなどが「わーっ」と出てきて情報過多になるかもしれません。
  • 純粋にフラットな状態で実践したい場合は朝がお勧めです。朝の脳内は静かなので、毎朝10分書く瞑想やりましょう、と提唱している人もいたりします。それも続けると良い習慣になると思います。


実践動画:書く瞑想で思考の扉を開く(約10分)

Source : 瞑想チャンネル for Leaders


多忙なビジネスパーソンには、気軽に取り組める1分動画もおすすめです。

マインドフルネスおすすめ情報

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ABOUTこの記事をかいた人

大阪大学大学院博士前期課程修了。認定プロセスワーカー。臨床心理士。 瞑想経験20年以上。 マインドフルネス瞑想の土台でもある、10日間のヴィパッサナー瞑想リトリート(※)に15回以上参加。タイ、インドにて長期トリートで修行を積む。  深層心理学のユング心理学にルーツを持つプロセスワークの専門家。身体性やマインドフルネスを早くより研究、実践し、個人の心理のみならず、関係性やグループ、組織を対象に仕事をしている。ビジネスシーンにおいては、プロセスワークのコーチングや、組織開発やコンサルティングに従事。企業におけるマインドフルネス研修や、大手フィットネスクラブのマインドフルネス・プログラム開発や指導者養成も行う。著書に『日本一わかりやすいマインドフルネス瞑想"今この瞬間"に心と身体をつなぐ』BABジャパン2015、共訳書にアーノルド・ミンデル著『プロセスマインド』春秋社2013、ジュリー・ダイアモンド著『プロセスワーク入門』などがある。

(株)BLUE JIGEN 代表取締
バランスト・グロース・コンサルティング(株)取締役
(一社)日本プロセスワークセンター ファカルティ
日本トランスパーソナル学会 常任理事

(※) 10日間 話さずに座り続けるもの