今回ご紹介するマインドフルネスおすすめ本は
アンディ・プディコム 著
頭を「からっぽ」にするレッスン
です。
この本はGates Notesでビル・ゲイツ氏おすすめの本として2018年と2020年に紹介したことで著名になりました。
25歳のころの私なら鼻で笑っていただろうが、今の私は妻のメリンダともども瞑想にすっかりはまっている。大学時代に仏僧を志した著者プディコム自身のエピソードから始まる本書は、瞑想のしかたを時に楽しく愉快に解説してくれる。
ビル・ゲイツ氏 Source : Amazon、Gates Notes “5 books I loved in 2018” からの引用
マインドフルネスを試してみたい人にはパーフェクトな入門書だ。
入門書としても、瞑想を始めて数年の中級・上級者にも繰り返し読み返すのにオススメの一冊です。
目次
この本が教えてくれること
- 瞑想について何も知らない人にも、一からわかりやすく解説
- スタンダードの10分間瞑想の他、ボディスキャン、食べる瞑想など計10種類の瞑想法を紹介。じっと座っていることが苦手な方にも、きっと自分に合った瞑想法が見つかるはず
- 瞑想を始めてから、つまづきがちなポイントについても解説(後述する『導師の話』)
- 瞑想経験者にも後半の第5章 『マインドフルネスの極意』などはとても参考になります
どんな人にオススメか?
個人的に、本書は第一線から引退してたっぷり時間がある方よりも、むしろ
- 現役世代で1日24時間じゃ時間が足りない、と日々感じていらっしゃる方
- 1分1秒を争って仕事や家庭などに奮闘している若い世代の人、
- なにもしないで5分, 10分座る時間があったら寝たい、
という方にこそ、手に取っていただきたいです。
そしてもし興味を持たれたら、1日1分でも良いので時間を取ってぜひ瞑想を継続してやってみてください。
(まずは1分間 軽く目を閉じてとにかく「何もしない」、というトレーニングのやり方も第一章で書かれています)
マインドフルになるとどんな良いことがあるのか?について、本書では以下の様に書かれていました。
・瞑想は人生を一変させる可能性を秘めたすばらしいスキル
Source : 頭を「からっぽ」にするレッスン
・瞑想とは、ただマインドフルネスを実践するために最適なコンディションをつくりだすためのテクニック
著者 アンディ・プディコム氏の経歴と信頼性
プディコム氏は世界各地の寺院や僧院で修行を積みチベットの僧院で正式な仏僧として認められ、現在では母国のイギリスでHeadspace社を開設し、臨床瞑想コンサルタントとして瞑想の普及のための活動をされています。
Source : TED アンディー・プディコム 『必要なのは10分間の瞑想だけ』
また 有名な瞑想アプリ Headspaceの開発にも関わっています。
Headspaceアプリ : App store,
Google Play
瞑想初心者から上級者まで、誰もが学べる本
ここでは、この本を読んで私個人が瞑想により興味を持つキッカケになった部分を、第一章 『まずは「からっぽ」を知るために』から引用させていただきます。
(本書は第八章まであります)
瞑想は数千年にわたって師から弟子へと受け継がれてきたテクニックなのです。技を磨き、完成させるのにも、欠点を修正するのにも十分以上の時間が流れています。新しいものがもてはやされ、めまぐるしく流行が入れ替わる現代でも、この伝統に裏打ちされた信頼感はかなりのものがあります。(中略)
マインドフルネスは、ただ目を閉じて座るという形を超えた、瞑想のテクニックの中心となる要素です。
本書 第一章 まずは「からっぽ」を知るために p21-22より引用
マインドフルネスとは、気をそらさずに「今、ここ」に存在することを意味します。心を落ち着け、一切のこだわりも余談も捨てて自然な意識を保つということです。(中略)
私たちは日々、ありとあらゆるささいな(時に重大な)考えや感情にとらわれ、自分や他人について批判したり決めつけたりして毎日を過ごしています。それとは対照的な状態です。
瞑想は長い伝統があり、宗教的な要素を排除し特にどこかの団体に所属することなく、今すぐにでも自宅で実践することが可能です。さまざまな新興宗教などでも瞑想は取り入れられていますが、伝統と著者の修行体験に基づいて余計なものを全て削ぎ落とし、誰でもできるような瞑想法が紹介されているので、安心して取り組むことができます。
また、自分1人ではなかなか「からっぽ」になれない、継続できない、という方はHeadspaceやCalmなどの瞑想アプリを活用したり、瞑想会に参加し講師と他の人と一緒に瞑想をする、というのもオススメです。
瞑想は、異なる人間、新しい人間、あるいはより良い人間になるためのものではありません。意識をトレーニングし、自分の考え方や感じ方とその理由を理解し、その過程を客観的に把握することです。それができれば、人生で起こしたい変化を起こせる見込みが高まります。
本書 第一章 まずは「からっぽ」を知るために p27より引用
この辺りのことは松村憲さんも、マインドフルネスの応用、コーチングへの応用などの記事で度々書かれています。
マインドフルネスでは、ただ穏やかになったりストレスを軽減するだけでなく、瞑想の実践によって自分の意識を変え、未来を変えることもできる、とおっしゃっています。
「からっぽ」と充足感で世界の見方が変わる
状況や気分に左右される一過性の幸福は、短すぎ、不安定すぎて、持続的な落ち着きや深い理解を与えてはくれません。
だから私は「からっぽ」という言葉を選びます。これは、その時の一時的な感情がどうあれ、つねに心の底にある落ち着きや充足感、揺るぎない満足感をあらわしています。(中略)
本質的には、どんな思考が渦まいていても、どんな感情を抱えていても「平気でいられる」ということです。(中略)心の底にある充足感に、どんなことも平気だと自然に思える場所に触れた感覚をもたらしてくれるからです。これは人生を一変させるほどの効果があります。(中略)世界の見方を変えれば、実質的に自分のまわりの世界が変わるのです。
本書 第一章 まずは「からっぽ」を知るために p32, 36より引用
今、自分としては精一杯頑張っているのに、なかなか物事がうまくいかない、これ以上改善点が思いつかない、など行き詰まりを感じている方は、瞑想で心のトレーニングを行うことで、見えている状況や起こってくる出来事などもきっと変化してくるはずです。
なぜならば、私たちの脳はありのままの現実を皆同じように知覚しているのではなく、その人が見たいように聞きたいようにフィルターを通して情報を捉え、脳で処理して受け取っているからです。
瞑想のトレーニングは実際に脳の構造を変化させ、そのフィルターを外す手伝いもしてくれ、『今ここ』を『ありのままに』知覚する能力も養われます。
その結果『実質的に自分のまわりの世界が変わる』のです。
長く瞑想をしてきた人にも、気づきのある本
ビル・ゲイツ氏が2018年と2020年、と2回もオススメした本、というのも納得の、何度か読んでみてもその度に新たな気づきが得られます。
私自身、コロナ禍をキッカケに瞑想を継続的に行うようになり2年半が経ちました。それでも未だに自分のネガティブは思考パターンに気づいては「またか」と感じたり、「そもそも そう感じる時点で評価判断しない、というマインドフルな視点ではないな」とまた自分を評価する、といった謎のループに入ってしまうこともありました。
本書では、著者自身が瞑想で行き詰まり、瞑想の師に相談し、その際に師から語られた「導師の話」が度々出てきます。
プディコム氏のようなものすごい修行を経た方の行き詰まったポイントが、まさに私がハマった謎ループそのものだったので、「誰もが通る道なんだな」「この思考パターンも通過点なんだな」と瞑想に前向きになることができました。
また数年前、別の方に瞑想を習っていた時に「親なら子供が騒いでいても瞑想をする、静かな場所でなければできないというのは甘え」といったようなことを言われ「じゃあ私には無理だー(あまりに幼児がワンパクだったので 苦笑)」としばらく離れていました。
しかし著者は「瞑想のトレーニングは慣れるまでは、静かで1人になれる場所と時間を選んで(朝 家族が起きてくる前など)やりましょう」と書いていて、ここも瞑想を再開してみようというモチベーションになりました。
表紙のイラストはかわいい癒し系で、帯にも「入門書」と書かれていたので、正直、気安く読み始めました。翻訳もわかりやすく読みやすいですが、とても内容は濃く、読み進めつつも途中途中で新たな気づきがあり、時々読むのを中断して、瞑想を実践したりしていました。
また読み終わった後も読み返すたびに、その時の私に刺さる部分を発見し「この一冊だけでいい!と話題」と帯に書いてあるのも納得です。
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