マインドフルネスや瞑想を継続することの重要性については、以前の記事で述べてきました。
しかし
- 1人で座って瞑想していても集中力が続かない
- 習慣化する前に挫折してしまう
といった話はよく聞かれます。
では習慣化し継続するためには具体的にどうしたら良いのでしょうか?
そのためのヒントが科学誌Natureのキャリアコラムに出ていましたのでご紹介していきます。
目次
瞑想で仕事と子育ての両立が可能に…
”Building a meditation routine for a more productive, creative and happier scientific life.”
アナ・ピネダさん(このCareer Columnの著者)はマインドフルネスによって、海外のアカデミックでの研究と子育てを並行して継続することができました。
引用元 Nature, Career Column, 03 Sep (2020)
(中略)マインドフルネスとは、自分の存在をあるがまま受け入れ『今ここ』に集中することです。私たちは瞑想によって自分の心を意識・客観視し、評価判断することなく自分自身の考えを認識できるようになります。
コラムでは
・多くの研究者・科学者が直面する困難な状況においても日々の生活で幸福感を見出し、生産性や創造性を発揮するのに瞑想が役立つこと
・瞑想をルーチンとして長期的に継続・習慣化するコツ
について書かれていました。
この瞑想を継続・習慣化するコツは、研究者以外の方にも参考になると感じたのでご紹介していきます。
マインドフルネス瞑想を継続し習慣化するための4つのコツ
1, 小さく始める
瞑想と聞くと、ものすごい修行やトレーニングを想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは1日1分間でも十分ですので、呼吸に意識を向ける時間を作ってみましょう。やり方は色々ありますが簡単なものでは、目を閉じて、できるだけゆっくり沢山の息を吸い込み、空気が鼻から肺に入り、そして吐き出されるまでを意識してみましょう。1分間でゆっくりな呼吸ができるのは6回程度ですが、普段無意識に行なっている自発呼吸に意識を向けることで、『今ここの自分』に気づくことができます。
2, アプリを活用する
瞑想を始めた初期の頃は、呼吸だけに5分間意識を向け続けるだけでも大変でした。途中で雑念が湧いて集中が途切れてしまい、5分間続かないのです(あとは雑念なのか閃きなのか判断がつかず、集中をやめて気になったことを手につけてしまったり、、その場合はメモ帳などに書いてまた戻る、という方法もあります)。
雑念が湧いていることに気づいたら、その都度また呼吸に意識を向ける、ということを続けることが脳を鍛えられ、集中力が身につくそうです。それでも雑念が湧いてしまうと「集中力がない」と感じてやめてしまったり、自分には合っていないと結論づけてしまったり、と瞑想を継続する最初の壁になりやすいです。
そんな時にオススメなのが「ガイド付きの瞑想」です。YouTubeでも多種多様な音源が無料で公開されていますし、瞑想やマインドフルネスのセミナーで講師のガイドの元で練習することもできますし、最近ではスマホのアプリなども沢山あります。著者のアナさんのオススメのアプリは無料アプリのInsightTimer (英語版のみ、iOS, Android)、また有料のものではHeadspace(英語版のみ、iOS, Android)とCalm(日本語版もあり、iOS, Android)もオススメとのこと。
(※注 : Calmは一週間の無料利用期間の後、自動的に年間6,500円の「Premium Calm」に課金されます。無料で楽しめるコンテンツもあるので、心配な方はこちらの手順 [ iOS, Google Play ] でサブスクリプション解除をしてください。)
3, 瞑想を実践するタイミングを決める
瞑想を習慣化する前に義務と感じてしまうと逆に続かない、という話はよくお聞きします。私自身もコロナ禍でぽっかりと空いた時間ができたり、オンライン瞑想会などに参加するまでは、忙しいなど理由をつけて習慣化できてなかったと思います。
アナさんは瞑想をするタイミングとして
- 毎朝、動き始める前
- 寝つきが悪いと感じた時は夜ベッドの中で
- スマホをつい目的もなく触ってしまう時を「心の休息のチャンス」と考え、スマホをスクロールさせる前
などをオススメしています。
そして短い瞑想(スクエア呼吸、目を閉じてそれぞれ5秒ずつ息を吸い、息を止め、息を吐き、息を止めて、の4ステップを繰り返す)をしているそうです。
このようにご自分の中で「瞑想をするタイミング、チャンス」を予め決めておくと継続しやすいかもしれません。
4, さまざまな瞑想法を試してみる
瞑想によってメンタルヘルスにプラスの影響があること、ストレス、不安、不眠症を軽減し、集中力と創造性を高める、など様々な瞑想の効果が論文などで報告されています。一方で、瞑想方法も様々あるので、アナさんは目的に合わせて瞑想方法やアプリのプログラムをチョイスしているとのこと。
例えば、やる気やモチベーションが欲しい時は、瞑想アプリの「自信」プログラムを実践、精神的に不安定であったり恐怖やストレス、疲れを感じている時には自分を落ち着かせるような瞑想ガイドを聞いたり、呼吸に合わせて“I am good enough(私は十分良い)” などの前向きなフレーズをマントラのように繰り返すことで、落ち着きを取り戻すそうです。
また座ったり、目を閉じてじっとしていることが苦手な人には、注意深く散歩する歩行瞑想などもオススメです。
また最近では『習慣化そのものがストレス解消や幸福感に繋がる』といった報告もあります。(Web MD, 2021)
瞑想スタイル、声、長さ、瞑想のトピックはたくさんあるので、ご自分に合ったマインドフルネスのやり方を見つけるのに時間がかかる場合もありますが、自分に優しく楽しみつつ気長に色々試して探してみてください。
あなたに合った瞑想方法を発見して、マインドフルネスが継続・習慣化する参考になりましたら幸いです。
マインドフルネス瞑想の習慣化するためのオススメの本 3選
1, 脳疲労が消える最高の休息法
アメリカの精神科医 久賀谷 亮先生の著書。左側は瞑想ガイド付きのCDブック。右側は小説風で専門用語など苦手な方にも読みやすい内容となっています。
CDブックに入っている瞑想音源は、版元のダイヤモンド社の公式YouTubeでもいくつか無料で視聴することができます!
<読書レビュー>
2, 日本一わかりやすい マインドフルネス瞑想
当サイトでもご執筆いただいている松村憲さんの著書。歩行瞑想を含めた9種類もの瞑想法のやり方だけでなく、瞑想を継続するコツやうまくいかない場合のQ & Aなど丁寧に解説されています。
<読書レビュー>
3, 「今、ここ」に意識を集中する練習
俳優の石田ゆり子さんがご自身のインスタグラムで紹介したことで話題になった本。
「取り組むコツ」という章もあり、マインドフルネスに取り組む時間を意識的に作るアイデアも載っています。
<マインドフルネスおすすめ本紹介>では他にもオススメ本を多数ご紹介しています☆
著者 Ana Pineda アナ・ピエダさんについて
著者のアナ・ピネダさんは博士号取得後にオランダのワーヘニンゲン大学へポスドクとして留学し、その後インポスター症候群に罹患したそうです。海外での研究生活の困難・苦労に加えて、二人の子育ても同時に行う息をつく暇もないほどの多忙な生活の中で、マインドフルネスが彼女を支え続けました。アナさんは現在、スペインのアリカンテ大学の客員研究員として研究を続けつつ、ifocusandwrite.comにて研究者向けのマインドフルネスとライティングのコースを運営しています。