マインドフルネスや瞑想を継続することの重要性については、以前の記事で述べてきました。
しかし
- 1人で座って瞑想していても集中力が続かない
- 習慣化する前に挫折してしまう
といった話はよく聞かれます。
そもそも、なぜ習慣化が難しいのでしょうか?
そしてどうすれば習慣化できるのでしょうか?
この記事では、マインドフルネス瞑想を習慣化するための4つのコツをお伝えしていきます。
目次
なぜ瞑想の習慣化が難しいのか?
マインドフルネス瞑想の効果についてはこのサイトで何度もご紹介してきましたが、継続できない、習慣化が難しい、といったお悩みもよく聞きます。
ではなぜ習慣化が難しいのでしょうか?
瞑想が続かない理由は人それぞれですが、一般的には以下のようなものが考えられます。
1, 瞑想を難しいものと感じてしまう
瞑想と聞くと、ものすごい修行やトレーニングを想像する方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそんなことはありません。瞑想は誰でもできるシンプルな行為です。
1分間、呼吸に意識を向けるだけでも、マインドフルネス瞑想と言えます。
詳しくは『初心者向けのマインドフルネスの始め方』の記事が参考になるかと思います。
2, 瞑想そのものを退屈と感じて飽きてしまう
一人で座っていると退屈に感じて眠くなってしまう、といった方には、瞑想歴20年以上の松村憲さんと小島美佳さんからのアドバイス『マインドフルネス瞑想が退屈で集中できないときに試したい方法』の記事を是非読んでみてください。
3, 瞑想がうまくできているかわからない、効果が実感できない
このようなお悩みをお持ちの方は、家庭用脳波計などを取り入れてみて、瞑想前後での数値の変化など可視化することで、効果を実感できるようになるかと思います。
ここでマインドフルネス瞑想を習慣化し継続するためのヒントが、2020年の科学誌Natureのキャリアコラム”Building a meditation routine for a more productive, creative and happier scientific life.”に載っていましたのでご紹介していきます。
マインドフルネス瞑想で研究者としての仕事と子育ての両立が可能に…
このキャリアコラムの執筆者アナ・ピネダさんはマインドフルネスを取り入れることで、アカデミックでの研究と子育てを並行して継続することができました。
引用元 Nature, Career Column, 03 Sep (2020)
アナさんは博士号を取得後、留学し、海外での研究生活の困難・苦労に加えて、二人の子育ても同時に行う息をつく暇もないほどの多忙な生活の中で、マインドフルネス瞑想に出会い支えられました。
アナさんは現在、スペインのアリカンテ大学の客員研究員として研究を続けつつ、ifocusandwrite.comにて研究者向けのマインドフルネスとライティングのコースを運営しています。
(中略)
彼女はマインドフルネスについて以下のように語っています。
「マインドフルネスは、自分の存在をあるがまま受け入れ『今ここ』に集中することです。
私たちは瞑想によって自分の心を意識・客観視し、評価判断することなく自分自身の考えを認識できるようになります。」
このコラムでは
- 多くの研究者・科学者が直面する困難な状況においても日々の生活で幸福感を見出し、生産性や創造性を発揮するのに瞑想が役立つこと
- 瞑想をルーチンとして長期的に継続・習慣化するコツ
について書かれていました。特にこの後者の瞑想を継続・習慣化するコツは、研究者以外の方にも参考になると感じたので、以下ご紹介していきます。
ちなみに、私自身の親としての実体験で、家事をやっている最中に子供に「ママみてー」と呼ばれたり、仕事中に子供の体調が悪くなって保育園から呼び出されて仕事を中断せざるを得なかったり、働きながらの育児だと子供から目を離せないのにずっと子供を見ている訳にもいかず、育児はまさにマルチタスクそのものです。
だからこそ、マインドフルネスで集中力を鍛えることで、たまたまできた隙間時間に目の前のタスクに集中したり、中断が入っても今ここに戻って集中し直したり、といったことが可能になり、育児とマインドフルネスは親和性が高いと日々実感しています。
マインドフルネス瞑想を継続し習慣化するための4つのコツ
1, 小さく始める
まずは1日1分間でも十分ですので、呼吸に意識を向ける時間を作ってみましょう。やり方は色々ありますが簡単なものでは、目を閉じて、できるだけゆっくり沢山の息を吸い込み、空気が鼻から肺に入り、そして吐き出されるまでを意識してみましょう。
1分間でゆっくりな呼吸ができるのは6回程度ですが、普段無意識に行なっている自発呼吸に意識を向けることで、『今ここの自分』に気づくことができます。
2, アプリを活用する
瞑想を始めた初期の頃は、呼吸だけに5分間意識を向け続けるだけでも大変でした。途中で雑念が湧いて集中が途切れてしまい、5分間続かないのです(あとは雑念なのか閃きなのか判断がつかず、集中をやめて気になったことを手につけてしまったり、、その場合はメモ帳などに書いてまた戻る、という方法もあります)。
雑念が湧いていることに気づいたら、その都度また呼吸に意識を向ける、ということを続けることが脳を鍛えられ、集中力が身につくそうです。それでも雑念が湧いてしまうと「集中力がない」と感じてやめてしまったり、自分には合っていないと結論づけてしまったり、と瞑想を継続する最初の壁になりやすいです。
そんな時にオススメなのが「ガイド付きの瞑想」です。YouTubeでも多種多様な音源が無料で公開されていますし、瞑想やマインドフルネスのセミナーで講師のガイドの元で練習することもできます。
最近ではポッドキャストやスマホのアプリなども沢山あります。
著者のアナさんのオススメのアプリは
- 無料アプリのInsightTimer (英語版のみ、iOS, Android)、
- また有料のものではHeadspace(英語版のみ、iOS, Android)
- Calm(日本語版もあり、iOS, Android)(※注 : Calmは一週間の無料利用期間の後、自動的に年間6,500円の「Premium Calm」に課金されます。無料で楽しめるコンテンツもあるので、心配な方はこちらの手順 [ iOS, Google Play ] でサブスクリプション解除をしてください。)
3, 瞑想を実践するタイミングを決める, 日常生活に持ち込む
瞑想を習慣化する前に義務と感じてしまうと逆に続かない、という話はよくお聞きします。私自身もコロナ禍でぽっかりと空いた時間ができたり、オンライン瞑想会などに参加するまでは、忙しいなど理由をつけて習慣化できてなかったと思います。
アナさんは瞑想をするタイミングとして
- 毎朝、動き始める前
- 寝つきが悪いと感じた時は夜ベッドの中で
- スマホをつい目的もなく触ってしまう時を「心の休息のチャンス」と考え、スマホをスクロールさせる前
などをオススメしています。
そして短い瞑想(スクエア呼吸、目を閉じてそれぞれ5秒ずつ息を吸い、息を止め、息を吐き、息を止めて、の4ステップを繰り返す)をしているそうです。
このようにご自分の中で「瞑想をするタイミング、チャンス」を予め決めておくと継続しやすいかもしれません。
4, さまざまな瞑想法を試してみる
瞑想によってメンタルヘルスにプラスの影響があること、ストレス、不安、不眠症を軽減し、集中力と創造性を高める、など様々な瞑想の効果が論文などで報告されています。一方で、瞑想方法も様々あるので、アナさんは目的に合わせて瞑想方法やアプリのプログラムをチョイスしているとのこと。
例えば、やる気やモチベーションが欲しい時は、瞑想アプリの「自信」プログラムを実践、精神的に不安定であったり恐怖やストレス、疲れを感じている時には自分を落ち着かせるような瞑想ガイドを聞いたり、呼吸に合わせて“I am good enough(私は十分良い)” などの前向きなフレーズをマントラのように繰り返すことで、落ち着きを取り戻すそうです。
また座ったり、目を閉じてじっとしていることが苦手な人には、注意深く散歩する歩行瞑想などもオススメです。
■ オンラインサロンを活用する
最後のこちらは私の実体験ですが、習慣化できるようになる、軌道に乗るまで一人で継続するのが難しいと感じられる方は、瞑想のオンラインサロンに参加するのもオススメです。
私自身が、自分のことを後回しにしてしまう傾向があるので、サロンで決まった日時に瞑想したい人たちが集って自分の家や職場から瞑想会に参加することで、継続しやすくなったと感じています。
最近では『習慣化そのものがストレス解消や幸福感に繋がる』といった報告もあります。(Web MD, 2021)
瞑想スタイル、瞑想ガイドの声や長さ、目的とする効果に沿った瞑想のトピックなどもたくさんあるので、ご自分に合ったマインドフルネスのやり方を楽しみながら色々試して探してみてください。
あなたに合った瞑想方法を発見して、マインドフルネスが継続・習慣化する参考になりましたら幸いです。
マインドフルネス瞑想の習慣化するためのオススメの本 3選
1, 脳疲労が消える最高の休息法
アメリカの精神科医 久賀谷 亮先生の著書。左側は瞑想ガイド付きのCDブック。右側は小説風で専門用語など苦手な方にも読みやすい内容となっています。
CDブックに入っている瞑想音源は、版元のダイヤモンド社の公式YouTubeでもいくつか無料で視聴することができます!
<読書レビュー>
2, 日本一わかりやすい マインドフルネス瞑想
当サイトでもご執筆いただいている松村憲さんの著書。歩行瞑想を含めた9種類もの瞑想法のやり方だけでなく、瞑想を継続するコツやうまくいかない場合のQ & Aなど丁寧に解説されています。
<読書レビュー>
3, 「今、ここ」に意識を集中する練習
俳優の石田ゆり子さんがご自身のインスタグラムで紹介したことで話題になった本。
「取り組むコツ」という章もあり、マインドフルネスに取り組む時間を意識的に作るアイデアも載っています。